9/21(木)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
カーンカーンカーン……
降り続く雨の中、ボーッとスマートフォンの画面を眺める自分を我に帰らせてくれた柱時計の鐘の音は半夜を告げるものだった。
鋭く頭に響く音が消え、また耳が静かな音に慣れ始める頃聞こえてくるのは──カッッカッッカッッカッッカッッ
さっきまでは雨音に埋もれ忘れていた時計の機械音。
窓を少し開け、決して強くはない秋の雨の湿った風に当たりながら久しく嗅いでいない油絵の具の匂いを思い出す。
寝る気なんて無いのにおやすみを言い、埃を被った油絵の具のセットを開ける。
その刹那、ここしばらく忘れていた匂いが部屋の中に甦る。
─油絵の具の画材にはシンナーなんかの成分も入っていたっけ。
だったら遥か前に薬物中毒者の仲間入り……とかしてたのだろうか。
そんなことが頭をよぎるがどちらかといえばシンナーではなく描くこと自体の虜になっている、と信じたいちょっと論点外れな自分がいた。
描き始めればあとは何も考えなくても気がつけば完成している。
そう、描き始めれば。
──油壺が開かない。絵の具も開かない。筆の毛先はボサボサになりペインチングオイルもほとんど残ってない。
部屋の中を漁って見つけた紙は小さなクロッキー帳のみ。
何とか使えた絵の具は白、黒、青、赤、黄、橙の6色。
こんなので何が描けるのか……
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
1:43 AM
2:10 AM
5:19 AM
描いていたときはいつもの通り時間感覚がない。
あとはこれを運搬用の即席の箱に入れるだけ。
描き終わる頃には雨は上がり烏の五月蝿い鳴き声が聞こえていた。
これを今日お会いする方に渡せればただ満足、人の動機なんて所詮そんなもの。
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
せっかくはるばるシンオウに来たのに雷と客引きにばかり遭遇していたっぽいうしさん(@pokemusic_cow)への誕生日プレゼント?的な感じでした( 'ω')
うしさんお誕生日おめでとうございました🎉